ファインバブルの測定方法
21/07/19 除菌
ファインバブルは非常に小さい泡で、気泡の大きさが100㎛(マイクロメートル)以下のものとして定義されています。1ミリの千分の一が1マクロメートルなのでいかに小さな泡であるか想像できます。
特にウルトラファインバブルは1㎛未満と肉眼で見えないほど微細な泡なので液中に存在しているかどうかよくわかりません。そのために気泡の粒子径や個数、濃度などを測定する方法が確立されてきています。
ここではファインバブルの測定方法の中でも代表的なものをご紹介します。
様々なファインバブルの測定方法
ファインバブルを測定する方法にはさまざまなやり方があるようです。用途にもよりますが近年用いられている主な方法には以下になります
1)レーザー回析・錯乱法
粒子に光が当たることで大きな粒子は回析、小さな粒子は散乱します。その回析、散乱の進んだ方向・パターンを観測して粒子径分布を計測するという方法です。短時間での測定が可能で、0.01~200マイクロメートルの粒径を測定できます。
2)動的光錯乱法
ナノサイズの粒子がブラウン運動することにより、当たった光の散乱光の揺らぎの速度が解析できます。その動きが大きな粒子では遅く、小さな粒子では速くなることを利用して粒子径分布を求める方法です。数ナノメートルレベルの計測が可能です。
3)粒子軌跡解析法
液体中のナノ粒子にレーザー光を当て、ブラウン運動の様子をビデオ画像で捕らえることで粒子の運動速度を計測します。この速度は粒子サイズに反比例するので、それを解析して粒子径と個数の粒子分布を得られます。こちらもナノサイズの計測ができます。
4)電気的検知帯法
食塩水などの電気伝導性の水溶液を小さな孔(細孔)に通過させ、計測する方法です。マイクロバブルがない液体が通ったときより、マイクロバブルを含んだ液体が通った時の方が電気抵抗が大きくなることを利用した測定法です。ただしナノサイズの計測は不可です。
5)共振式質量検知帯法
共振用カンチレバーと呼ばれる非常に小さな振り子を用いる方法です。カンチレバー内に液体が通る流路があり、ファインバブルの入った液体が通るとき、液体のみが流れるときよりもカンチレバー振動が大きくなる原理を用いています。ナノサイズ測定、高濃度測定も可能ですが高額です。
6)フロー式画像解析法
動的画像解析法とも呼ばれ、マイクロバブルを含む液体がガラスセルを通過するときに粒子の投影画像を撮影し、その画像を解析することにより、粒子径と形状を測定します。形状からマイクロバブルと異物(ゴミ)を識別できます。ナノレベルの測定は不可です。
ファインバブルの測定方法は他にも、超音波を利用する方法、光の干渉を利用する方法、原子間力顕微鏡による方法などがあります。目に見えることのないファインバブルを可視化することでその粒径や分布濃度などを知って、より効果的な活用が期待されます。
ファインバブル発生装置「ファインアクア」のご紹介
ファインアクアは非常に微細な気泡【ファインバブル】を液中で発生させる装置です。通常の気泡は発生後すぐに水面へ浮上し外部に放出されてしまいますが、ファインバブルは浮力の影響を極めて受けにくく、水中に長期間溶存することができます。
ファインアクアは高速旋回流方式で気体と液体の混合体を発生させます。その高速旋回時に摩擦を生じさせ、ファインバブルにまで微細化することを可能としています。
さらに大きな特徴として、大気以外にボンベ等を使用して様々な気体を液体中に封入することが挙げられます。
これにより、例えば溶存酸素量が非常に高い容液などを生成することができ、生物活性作用など様々な可能性が生み出され、多分野における新たなニーズの開拓が期待できます。
まとめ
ファインバブル液中にどのくらい留まり、分布濃度はいつまで維持されるのかは、保管方法、発生方法、気体の種類などの条件によって変わってきます。目に見えないものなので都度、適切な方法で測定したいものです。
どのような気体を液中に溶存させるかによって、ファインバブルの用途は格段に広がります。国連で採択されているSDGsにも大きく貢献することが期待されています。
今後はSDGsに積極的に取組んでいる企業が高く評価されることになろうかと思います。ファインバブルをそのツールの一つとしてご検討ください。
内容をもう少し詳しく知りたい、聞きたい、というご要望がございましたら、お気軽にお問い合わせください。
参考文献:ファインバブル‐マイクロバブル・ナノバブルの基礎・実用・新展開‐
参考サイト:一般社団法人 ファインバブル産業界 https://fbia.or.jp/