目に見えない泡で環境に貢献! ファインバブルとは?
21/07/02 除菌
近年、ファインバブルという言葉をよく耳にするようになりました。ファインバブルは簡単に言うと「ものすごく小さな泡」ということになります。この小さな泡の特徴を知ることでいろんな分野での活用ができることが明らかになってきました。
ここではファインバブルの特徴や現在進められている応用化や活用方法などをご紹介していきたいと思います。
ファインバブルとは?
ファインバブルは気泡の大きさが100㎛以下のものを言います。㎛(マイクロメートル)は1mの百万分の一の大きさです。
さらにその内訳として1~100㎛の泡を【マイクロバブル】、1㎛未満の泡を【ウルトラファインバブル】と呼び、区別されています。
両者のわかりやすい見分け方としては、マイクロバブルは水中で白濁して見えることで存在を確認することができますが、ウルトラファインバブルは肉眼では確認できません。
目に見えないものなのでこれまで液体の中のウルトラファインバブルが存在することは明確にはされていませんでした。
ファインバブルの特性・効果
ファインバブルの特徴の一つとして水中での上昇速度が非常に遅いということが挙げられます。ですが、マイクロバブルとウルトラファインバブルでは上昇速度にも違いがあります。
マイクロバブルは1分間に数センチの速度でゆっくりと上昇します。一方、ウルトラファインバブルは上昇せずに【ブラウン運動】という不規則な動きをしながら液中に留まります。条件や状態にもよりますが、数カ月もの間、水中を見えない泡=ウルトラファインバブルが漂っていることになります。
また、ウルトラファインバブルは視覚的な特性以外にも下記のような効果が期待できます。
・生理活性効果
非常に小さい気泡のため、植物の根などから吸収されやすく、活性化して、成長が促されます。通常の水で栽培するよりも成長速度に違いが見られた事例が報告されています。
・気体封入効果
液体中に気体を大量に封入することができます。目的に応じて酸素や二酸化炭素、オゾンなどを封入することでファインバブルを様々な用途に活用できます。
・気泡表面特性
気泡の表面がマイナスの電荷に帯電しており、プラス電化を帯びている有機物を吸着しやすくなります。
他にも洗浄効果の向上なども見込まれ、薬剤や洗剤等の使用量削減につながることで、これからの環境問題の解決・SDGsにも大きく寄与することが期待されています。
いろんな気体による効果
ファインバブルは基本的には水に気体を混ぜて効果を得るものですが、混ぜる気体の種類によって様々な効果が期待できます。その一例を挙げてみます。
・酸素(O2)・・・海産物の養殖、水耕栽培、浄化槽の微生物活性など
・二酸化炭素(CO2)・・・魚類の麻酔・仮眠、pH調整など
・水素(H2)・・・水素水など機能性飲料、洗浄効果向上
・窒素(N2)・・・酸化防止効果、細菌繁殖を抑制して鮮度保持
・オゾン(O3)・・・殺菌・脱臭効果
上に記載した効果は一例で、その原理やメカニズムは検証中や未解明のものもありますが、今後それらが明らかになっていくのに伴って、ファインバブルがより効果的に活用されていくものと思われます。
今後のファインバブルの展開について
ファインバブルは現在いろんな分野での応用が模索されています。それはファインバブルを発生させる装置に留まらず、環境・医療・農業・水産業・製造業・サービス業など多種多様の業界での活用が期待されます。
現在は技術的に日本がリードしている側面もありますが、今後は世界規模で市場が急拡大するといわれています。
株式会社矢野経済研究所のファインバブル産業の市場動向に関する調査報告(2021年3月)によると、ファインバブル産業の市場規模の総額は2019年が897億円。2025年の市場規模は2019年の約2倍となる約1,782億円と予想されています。
短時間でファインバブルの生成が可能!「ファインアクア」のご紹介
ファインアクアは非常に微細な気泡【ファインバブル】を液中で発生させる装置です。通常の気泡は発生後すぐに水面へ浮上し外部に放出されてしまいますが、ファインバブルは浮力の影響を極めて受けにくく、水中に長期間溶存することができます。
ファインアクアの大きな特徴として、大気以外にボンベ等を使用して様々な気体を液体中に封入することが挙げられます。
これにより、例えば溶存酸素量が非常に高い容液などを生成することができ、生物活性作用など様々な可能性が生み出され、多分野における新たなニーズの開拓が期待できます。