次亜塩素酸水(弱酸性 電解水)次亜塩素酸水(弱酸性 電解水)

次亜塩素酸水の空間噴霧は安全で、効果はあるのでしょうか!?

20/10/21 次亜塩素酸水(弱酸性 電解水)

 近ごろ、新型コロナウイルスの影響で除菌や消毒に対して関心が高まっています。そんな中、次亜塩素酸水の空間噴霧に関して誤解が生まれるような報道がありました。実際に生活の中で次亜塩素酸水を使用するのに戸惑っている方もおられるかと思います。

 そこでここでは次亜塩素酸水の安全性および有効性について現在わかっていることをまとめてみました。この記事をきっかけにしてもっと有効に次亜塩素酸水が使われることを希望します。


1.空間噴霧に関する誤解

 WHO(世界保健機構)が示した見解によると、「消毒剤を人体に噴霧することは、いかなる状況であっても推奨されない。これは、肉体的にも精神的にも有害である可能性があり、感染者の飛沫や接触によるウイルス感染力を低下させることにはならない(意訳)」とあります。

 ここで言われている「消毒剤」とはアルコールや次亜塩素酸ナトリウムのことであり、次亜塩素酸水は含まれていません。さらにNITEの5/28の発表でも空間噴霧の有効性・安全性については触れていませんでした。(有効性については6/26のNITEの発表で証明されました)

 ですが各種メディアで「空間噴霧は安全ではない」との報道がなされ、広がりました。

 次亜塩素酸水の噴霧による有効性・安全性についての検証は各メーカーでされており、その数は数百件にも及びます。コロナ禍で急に出てきた感じの次亜塩素酸水ですが、20年以上にもわたって数多くの動物実験と学術研究がされてきました。誤報や風評に惑わされない正しい報道がされることを望みます。

2.空間噴霧=(イコール)空間除菌ではない!?

 既述したように、次亜塩素酸水を超音波式で空間に噴霧した微細粒子が微生物やウイルスに接触することで除菌できているエビデンスは多数存在します。

 しかし空間噴霧という呼び方から空間全体が除菌できているかのような誤解が生まれているようなのです。そもそも空間噴霧の目的は空間の除菌ではなく、物に付着している微生物を除菌するのが目的です。   

 屋内では不安定に空中をさまよっている浮遊菌より物に付いている付着菌の方がはるかに多く、換気である程度浮遊菌は減りますが付着菌はほとんど減りません。そこで空間噴霧された次亜塩素酸水の微細粒子が役に立ちます。噴霧された粒子は永遠に空中をさまよっているわけではなく、ゆっくりと重力に逆らうことなく下方へ落ちていき、揮発を伴いながら目に見えなくなります。そして壁や床に付着している微生物に作用するのです。

3.次亜塩素酸水の空間噴霧は安全なの?

 作業環境における気体物質の許容濃度が労働安全衛生法に定められており、塩素ガスは500ppb(0.5ppm)となっています。次亜塩素酸の濃度じゃないの?とお思いかもしれませんが、次亜塩素酸の作業環境濃度はありません。

 理由は二つあり、次亜塩素酸の標準ガスがないということ、もう一つは塩素ガスは生体内の水と反応すると次亜塩素酸に変わることです。気体状の次亜塩素酸の許容濃度を検証するなら塩素ガスの影響を見る方が理にかなっている、というわけです。

 次亜塩素酸水を空調噴霧した場合、粒子は落下するために足元が最も高くなります。その数値は20ppb(0.02ppm)程度で、顔周辺の濃度も長時間噴霧してやっと5ppm(0.005ppm)に達すると言います。

 別の検証では次亜塩素酸水を噴霧し続けて湿度が100%になり、次亜塩素酸水が床に溜まったりしている状態でも100ppb(0.1ppm)程度で平衡状態になることが確認されています。つまりどんなに過剰に次亜塩素酸水を噴霧しても基準値【500ppb】の5分の1程度にしかならないのです。

4.どのような検証がされているの?

 ウイルスが不活化する濃度なら人間にも影響があるのでは? という疑問があることも理解できますがそれを解決すべく、ラットの暴露試験などが実施されています。実験にラットが用いられるのは繁殖力が高く、遺伝子改変しやすいことなどが理由としてあります。
 また、抵抗力が弱く、少しの変化でもラットにとっては大きな変化となります。この変化が人間にとっての警鐘となり、危険かどうかの判断基準になります。

 そのラットに対して経口投与などの暴露実験を行い、異常が見られなかったという結果を各メーカーで得ているのです。

 さらにある大学では次のような研究結果が立証されています。
・「子牛や馬への安全性試験では、微酸性次亜塩素酸(pH6程度)水の空間噴霧による健康状態に対する悪影響は、臨床的にも血液生化学検査にも全く観察されなかった。」
・「微酸性次亜塩素酸水の空間噴霧を牛の飼養施設内5年間以上に渡って実施しているが、動物や作業従事者に対する安全性に関する問題は全く発生していない。」  

まとめ

 次亜塩素酸水の噴霧に関しての安全性がお分かりいただけたと思います。国が定めている労働安全衛生法の基準を上回っておらず、動物に対しても異常が見られない次亜塩素酸水を衛生管理に活用しない手はないと考えます。

 水道水は残留塩素濃度を0.1㎎/L(0.1ppm)以上と定めてられています。次亜塩素酸水は水道水よりも濃度が高いのでウイルスや菌を抑制してくれます。メーカーが推奨する用法・用量を守れば問題なく利用できます。
 また除菌活動は除菌をする前に対象物の清浄・清潔が先決とされています。これは食品業界では当たり前であり、コロナ禍では全業種・全国民に言えることだと思います。

ファイルのアイコンこの記事を書いた人

㈱岡部機械工業 梅山 和久衛生管理者の資格を取得してから5年以上。徳島の岡部機械工業で社内の衛生パトロールを行い、職場環境の改善に取り組んできた。職場の環境衛生を整えることによって、健康優良法人に選ばれました。働くうえでは健康が何よりも重要だと思い、環境衛生について日々研究している。