2度拭き掃除の手間と、多すぎる洗剤の種類に「アルカリ性電解水」という解決策
19/09/26 アルカリ 電解水
みなさんは「アルカリ性電解水」についてどのようなイメージをもっているでしょうか?
健康目的で飲料水として生成する「アルカリイオン水」を思いだす方も多いかと思います。
アルカリ性電解水はアルカリイオン水とは別物で飲料用を目的としたものではなく、掃除、洗濯などに使われることが多いものですが、飲料用と匹敵する安全性があるのは確かです。
とくに最近では、アルカリ性電解水を用いた洗濯や掃除は「手間を減らすことができるから」と様々な場所や事業所で利用されています。
アルカリ性電解水は、界面活性剤のような働きをおこないますので、現在、世の中に数多く存在する「洗濯洗剤や掃除用洗剤の代わり」として使うことが出来ます。
では、なぜ「アルカリ性電解水」は「手間を減らす」ことが出来て、なぜ「安全」なのでしょうか?
目次
水から生まれた兄弟「アルカリ性電解水」と「次亜塩素酸水」は何が違うの?
みなさんは、「電解水とはなにか?」また「どのようにして生成されるのか?」をご存知でしょうか。
実は、「アルカリ性電解水」と「次亜塩素酸水」は「水」から出来ているのです。
電解水とは何か?
電解水とは、その言葉通り、水を電気分解して得られる水溶液のことです。
電気分解をする際は、電気抵抗を下げるため、水の中に塩化ナトリウムや塩化カリウムなどの「食塩」を加えます。
つまり、「アルカリ性電解水」と「次亜塩素酸水」の原料は「水」と「塩」だけです。
電解水は「水」と「塩」の水溶液を電気分解して生成されます
この「水」と「塩」だけで出来た水溶液を電気分解すると、プラス極側とマイナス極側に、それぞれ別の性質をもった電解水が生成されます。
このとき、プラス極側に生成されるのが「次亜塩素酸水」、マイナス極側に生成されるのが「アルカリ性電解水」です。
この二つはまるで兄弟のような関係ですが、双子のような存在ではありません。それぞれしっかりと個性をもった存在と言えます。
では、次亜塩素酸水とアルカリ性電解水とでは、どのような違いがあるのでしょうか。
アルカリ性電解水と次亜塩素酸水は何が違う?
まず次亜塩素酸水は酸性の水です。そのため、「酸性電解水」ともいいます。
「除菌効果」が高く、「漂白効果」や「脱臭効果」があります。
対して、アルカリ性電解水はその名の通りアルカリ性です。
「皮脂汚れ」などを落とす効果があります。
またアルカリ性電解水の中では「菌が生存できない」という特徴もあります。
この優れた性質を利用して、最近では工場の研磨機のクーラント液(冷却油)に混ぜ込むことで、雑菌の繁殖を抑え、廃液の腐敗を抑えるといった用途でも使われることもあり、産業用としても十分な効果があることがうかがえます。
「水」と「塩」という馴染み深い自然由来の原料から生まれたにも関わらず、次亜塩素酸水は「菌やウィルスを直接除菌できる効果」があり、アルカリ性電解水は「皮脂汚れなどを落とし、雑菌の繁殖を抑える」ことができるのです。
関連記事:「弱酸性電解水で解決!安全な除菌と素早い消臭は衛生管理の要」
アルカリ性電解水での掃除は「中和」がキーワード
付着したりこびり着いたりした汚れを落とす掃除では「掃除とは、中和である」といえます。
なぜなら、「汚れには酸性に弱い汚れと、アルカリ性に弱い汚れがある」からです。
酸性に弱い汚れとしては「水垢汚れやカルキ汚れ、石鹸カス」などが該当し、アルカリ性に弱い汚れとしては「皮脂汚れや油汚れ」などが該当します。
それぞれの汚れの種類に対して、弱点である性質の電解水を使うことで、掃除はより簡単になります。
アルカリ性電解水や次亜塩素酸水はなぜ2度拭きが不要なのか
アルカリ性電解水や次亜塩素酸水は、洗剤ではありません。
したがって、泡立ちがおこらないため、2度拭きのような泡を落とすための手間がかかりません。
当然、拭き残しの洗剤が白く残ってしまうこともありません。
更に、アルカリ性電解水や次亜塩素酸水は、時間経過とともに普通の水へ戻ってゆきますから使用後に生活排水として、そのまま下水道へ流すことができます。
業務用洗剤などでは廃棄の際に特殊な手順や対応が必要なこともありますが、電解水ではこのような手間がかからないのです。
洗浄+消臭+除菌で「清潔」を実現するアルカリ性電解水の効果
みなさんは、アルカリ性電解水や次亜塩素酸水(酸性電解水)と聞いて、「それぞれ別々につかうもの」というイメージをもっていませんか?
確かに「アルカリ性と酸性を混合すると中和されてしまう」ため、この二つの電解水を同時に使用することはできません。(数日間は両方の特徴を持った混合水として使えます)
しかし、一緒につかうのではなく、2種類の電解水でそれぞれ洗濯をおこなう場合ならどうでしょうか?
これなら、電解水同士が中和されてしまい、効果が落ちるようなことがなくなります。
それでは、2種類の電解水をつかって洗濯をおこなう手順をご説明いたします。
アルカリ性電解水と次亜塩素酸水のダブル効果を活用した洗濯
アルカリ性電解水と次亜塩素酸水をつかって、効率的な洗濯をおこなう手順を解説します。
まず、「アルカリ性電解水で洗濯」をします。これは「洗浄」に該当します。
続けて次亜塩素酸水で洗濯をします。これにより「消臭」と「除菌」がおこなえます。
あとはすすぎをおこなうだけですが電解水は洗剤ではありませんので、すすぎも簡単に終わります。
電解水は洗剤よりも浸透スピードが速い特徴があり、しかも、浸透した電解水は簡単に離脱できるので、1回のすすぎでしみこんだ電解水を洗い流すことができるのです。
更に、電解水を完全に洗い流すことが出来なかったとしても、徐々に「水」に勝手に戻っていき最後には蒸発してくれます。
このように「電解水の性質を理解してうまくつかうことが、よりよい清潔な環境を生みだすコツ」といえるでしょう。 (汚れがひどい場合は洗剤を併用してください)
アルカリ性電解水は浸透・剥離・乳化の3ステップで汚れを「浮かせ」て「すくう」
では、アルカリ性電解水はどうやって汚れを落とすのでしょうか。
基本的な仕組みは一般的な洗剤に含まれる「界面活性剤(かいめんかっせいざい)」と同じで、3つのステップで汚れをおとします。
1.汚れの境界面へ浸透する
アルカリ性電解水はそもそも「洗剤よりも粒子が細かい、水である」ため、汚れの境界面に非常に早いスピードで浸透していきます。
2.汚れをマイナスイオンで剥離する
アルカリ性電解水に含まれるマイナスイオンは汚れに滞留し、それによりマイナスの電気を帯びていきます。
これにより互いに反発しあい、細かく剥離して分散していきます。
3.汚れを「包み込み」乳化し分離
汚れが細かく剥離し分散し、マイナスイオンに覆われることで「乳化」します。
汚れが乳化することで、より剥離分散作用が進み、汚れが一層落ちやすくなります。
このように、アルカリ性電解水の洗浄効果はマイナスイオンの働きにより「汚れを浮かせて、すくい上げる」という仕組みで汚れを落としているのです。
水回りピカピカ!アルカリ性電解水はキレイ好きのための万能クリーナー
アルカリ性電解水の特徴を、より深くみていきましょう。
アルカリ性電解水の水回りの汚れに対しての万能性
まず、アルカリ性電解水は水が使えるところなら「使えないところがない」と言っても過言ではないほど、水回りのさまざまな汚れに対応できます。
たとえば「におい成分、油脂汚れ、皮脂汚れ、タンパク質汚れ、細菌」といったものに対しても、効果的に作用します。
ただし、カビ菌などへはあまり効果が発揮されにくいので、カビ菌の弱点である「酸性」の次亜塩素酸水で洗浄が効果的です。カビ菌を落とすよりもカビ菌が繁殖するのを抑えるのに効果を発揮します。
アルカリ性電解水は人体に安全、自然環境にエコ
また、アルカリ性電解水は人体や自然環境に対して安全です。
たとえば電解水衛生環境システム「守る水」の場合、塩と水道水という、自然由来の成分から、pH(ペーハー)12前後の強アルカリ性電解水を生成できます。
このような電解水生成装置をもちいれば、電解水の生成時に薬品などを使用しないため、安心です。
電解水は、生成後には時間の経過とともに「水」に戻ってゆきますので、洗剤をつかっての洗浄・洗濯よりも電解水をつかった洗浄・洗濯の方が「環境にやさしい」といえるのです。
アルカリ性電解水は、水から生まれた安全な万能クリーナー。
使えない場所の方が少ないくらい様々な場所に使うことが出来ます。
同じく、次亜塩素酸水も同様に広い使用可能範囲を持ち、除菌消臭、漂白などの効果があります。
一歩進んだ衛生環境を実現するためにも、これら二つの電解水をつかい分けると、ほぼ全ての衛生環境の向上に役立てることができ、その恩恵は多大です。
生活環境や労働環境を清潔で衛生的に保てるのみならず、環境にも体にも優しいという多くの優れた特性をもっているのです。