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ファインバブルの発生方法

21/07/13 除菌

 ファインバブルはとても微細な泡ですが、泡の大きさでマイクロバブル(1~100㎛)とウルトラファインバブル(1㎛未満)に分けることができます。この微細な泡を発生させるためにさまざまな方法があります。

 ここではファインバブルのいろんな発生方法についてご紹介します。

様々なファインバブルの発生方法

 ファインバブルは非常に小さな泡でありますので、その発生方法には各メーカーや機関の工夫が見られます。そこでいろんな原理を応用したファインバブルの発生装置がありますので一例を記載します。

1)旋回流方式
 高速の旋回流により気泡を粉砕し、液中にファインバブルを発生させる方法です。比較的簡単な発生装置が多く、カキの養殖などの水産業、食品の洗浄・殺菌、風呂用の健康器具等、気泡の大きさや濃度にシビアではない使われ方が多いようです。

2)スタティックミキサー方式
 気体と液体を一緒に流路内に圧送して、障害物や突起物による気泡のせん断でファインバブルを発生させる方式です。連続式にファイバブルを発生させることが可能で、さらに循環させることによってファインバブル濃度や気泡径を均一にすることができます。

3)エジェクター式/ベンチュリ式
 これらの方式はどちらとも流路内の圧力を急激に変化させて、気泡を細かく砕くやり方となります。エジェクター式は内部にあるノズルからの噴射で圧力差を生じさせるものです。一方のベンチュリ式は流体の流れを絞ることによって、流速を増加させて、低速部に比べて低い圧力を発生させる原理です。

4)加圧溶解方式
 タンク内の気液をポンプを使って加圧し、気体を液中に過飽和状態で溶解させます。そこからうまく減圧して液中にファインバブルを発生せる方式です。タンク内でいかに効率よく液中に気体を溶解させるか、さらに気泡発生の際に気泡が合わさることなく細かい泡を発生させられるかがポイントとなります。

5)キャビテーション方式
 キャビテーションは空洞現象とも呼ばれ、流水の断面や向きが変化する場所の近くで空洞部ができ、渦を起こす現象をいいます。この原理を利用して液中に含まれる溶存ガスを析出させてファインバブルを生成します。浴槽やシャワーヘッドにも使われるようです。

 ファインバブルの発生方法としては、液体の流動を伴う方法と、流動を伴わない方法があります。上記で述べた5つの方法は流動を伴う方法です。

 流動を伴わない方法も何種類もあります。液体をタンクなどに入れ、ガスを各種装置に通過させて液体中に放出する細孔方式/超微細孔方式。攪拌機等の回転体を入れてバブルを発生させる回転方式などです。
 他にも超音波を用いる超音波式。液体を電気分解してバブルを発生させる電気分解方式など数多くの発生方法が存在します。
 さらにはこれらの特徴を合わせた複合方式なども存在し、今後も効率的な発生方法が開発されていくものと思われます。

ファインバブル発生装置「ファインアクア」について

 ファインアクアは高速旋回流方式で気体と液体の混合体を発生させます。その高速旋回時に摩擦を生じさせ、ファインバブルにまで微細化することを可能としています。

生成されたファインバブルには主に4つの特性が挙げられます。

①物活性作用
 非常に微細な気泡であるため、生物の酸素の吸収が促進され、活性化の傾向が見られます。微生物、植物等の成長促進、有機物の分解促進等が確認されています。

②気泡表面特性
 気泡の表面がマイナスの電荷を帯びており、液体中の物質を吸着したり、その他の材料の表面に付着する特性があります。材料の洗浄、液中のプラス電荷を帯びている物質を析出させる成果が確認されています。

③酸化作用
 気体に酸化力のある物質(オゾン等)を利用し、微細気泡の特性を活かし、浮力の影響を受けず、また、気泡の大きな表面積を利用し、気体の持つ効果を有効に液中の物質に対して、影響を与えることが可能です。二酸化炭素による中和の効率化等も検証されています。

④液性の変質
 液体の中に微細気泡が存在することにより、元の液体の性質(酸化還元電位、熱伝導性、圧力分散等)様々な要素で変質の可能性が模索されています。

 さらに大きな特徴として、大気以外にボンベ等を使用して様々な気体を液体中に封入することが挙げられます。
 これにより、例えば溶存酸素量が非常に高い容液などを生成することができ、生物活性作用など様々な可能性が生み出され、多分野における新たなニーズの開拓が期待できます。

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まとめ

 今やファインバブルはこのような特性から洗浄・清掃、農業、水産業、食品工場、医療・健康分野等すでにいろいろな分野で実際に活用され、日本発祥の革新的技術として、産官学で更なる研究が進んでおります。

 薬剤等の化学物質を使用することなく、液体に様々な機能を与えることができるファインバブルは今後利用が加速すると予想されます。

 内容をもう少し詳しく知りたい、聞きたい、というご要望がございましたら、お気軽にお問い合わせください。

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参考文献:ファインバブル‐マイクロバブル・ナノバブルの基礎・実用・新展開‐

ファイルのアイコンこの記事を書いた人

㈱岡部機械工業 梅山 和久衛生管理者の資格を取得してから5年以上。徳島の岡部機械工業で社内の衛生パトロールを行い、職場環境の改善に取り組んできた。職場の環境衛生を整えることによって、健康優良法人に選ばれました。働くうえでは健康が何よりも重要だと思い、環境衛生について日々研究している。