ファインバブル導入事例:金属加工の切削・研削
21/09/10 除菌 ウルトラファインバブル
●金属加工分野でファインバブルが使われる理由
ファインバブルと言えば農業・水産等での活用が広く知られているところだと思います。ですが近年、工業用途にも使われ始めているのです。特に1㎛以下のウルトラファインバブルは今後ますます工作機械の分野で導入が進むと考えられています。
日々作業が行われる工作機械は、いつもベストなコンディションで扱えるようにすることが重要です。ですので常日頃から最良の状態であるかチェックして、手入れを怠らないようにすることが求められます。
緻密で効率的な作業のために、切削加工で発生した切粉の除去やクーラントタンクの洗浄などは欠かすことができません。
ファインバブルには生物の活性効果や洗浄効果の他にも殺菌効果や摩擦力低減効果があることが確認されています。これにより工業分野でもいろいろな用途に活用出来る可能性が広がっているのです。
ここでは、多くの工作機械を使用している企業の課題である品質と効率の両立をファインバブルを使用することで実現している事例を挙げていきたいと思います。
●金属加工分野でのいろいろな活用方法
1.クーラント液の腐敗防止効果
クーラント液は加工時に発生する熱を冷やす役目がありますが、夏場は悪臭を放つ特徴があります。ファインバブルがクーラント液中の酸素濃度を上昇させ、微生物を活性化させることで腐敗防止効果が得られ、悪臭も抑えることができます。
また、クーラント液に加工時の潤滑油が混じる場合があり、刃物が滑る恐れがあります。ファインバブルが潤滑油や微粒子などの汚れを剥がして、液面へと浮上させるので吸着マットなどで油を取り除くことができます。
2.アルミニウム構成刃先剥離効果
工具刃先は切削中に高温の切粉が融着し、構成刃先という形状を作ります。このため必要とされる面粗度が確保できないという問題が生じます。ファインバブルはアルミニウムの加工時に構成刃先を剥離する効果があります。
これはファインバブルによる二つの要因が考えられます。一つはファインバブル噴射衝突時の破裂の衝撃波、もう一つは高温になった刃先に触れたときの熱膨張による破裂の衝撃です。
これによりアルミニウム加工の精度を格段に高めることができています。
3.シリコンウエハーの鏡面研磨
シリコンウエハーは半導体の基板となる部分であり、表面が厳密に平たんになることが求められます。その厳密な平たんさを得るために鏡面研磨を行うのですが、ファインバブルを活用することで大きな効果を得られました。
これまで簡単にはできなかったシリコンウェハーの鏡面仕上げがファインバブルによって格段に難易度が下がりました。そのメカニズムはファインバブルが破裂するときの衝撃波で砥石に付いている切粉が剥離して、切刃の精度が常に保たれているためだと考えられています。
4.洗浄効果
ファインバブルは食品洗浄などにも活用されていますが、金属等の加工品の洗浄にも使われています。ファインバブル表面はマイナスに帯電しており、プラス帯電している有機物(汚れ)を吸い寄せることができます。
また、100㎛以下という非常に微細な泡なので、複雑な形状の加工品でも細部まで泡が入り込み洗浄できます。
●ファインバブル発生装置【ファインアクア】のご紹介
ファインアクアは非常に微細な気泡【ファインバブル】を液中で発生させる装置です。通常の気泡は発生後すぐに水面へ浮上し外部に放出されてしまいますが、ファインバブルは浮力の影響を極めて受けにくく、水中に長期間溶存することができます。
ファインアクアは高速旋回流方式で気体と液体の混合体を発生させます。その高速旋回時に摩擦を生じさせ、ファインバブルにまで微細化することを可能としています。
さらに大きな特徴として、大気以外にボンベ等を使用して様々な気体を液体中に封入することが挙げられます。
これにより、例えば溶存酸素量が非常に高い容液などを生成することができ、生物活性作用など様々な可能性が生み出され、多分野における新たなニーズの開拓が期待できます。
>>>ご相談・お問合せはこちら