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あらためて見直されているアロマテラピーの効果

20/11/30 消臭

 古来から私たち人間は普段の生活に「香り」を取り入れてきました。芳香療法として医学が発達する前から植物の香り成分を病気やケガをしたときの治療に使われていた形跡があるといいます。医学が進化を続けている現代では「香り」による治療法はいわゆる「民間療法」という形で存在していますが、その効果は改めて見直されていると感じています。

 アロマテラピーという言葉自体は誕生して100年も経っていませんが、植物が持っている香りを心や体の治療や癒しに役立てようという考え方は数千年前からありました。
 アロマテラピーは広い意味ではコーヒーの香りで目が覚めることなども含まれるようですが、ここでは一般的な精油のアロマテラピーにおける効果・注意点などを簡単にご紹介します。


1.古くから認められてきた「香り」の力

 アロマテラピーで使用される精油は一般的には“エッセンシャルオイル”と呼ばれ、植物の花や葉、実などから抽出されます。古くから人類はこの抽出された成分を使って治療などを行ってきました。

 この成分は一つのエッセンシャルオイルに何十種類と含まれており、さらに色んな組み合わせで私たちの体に作用します。

 その作用には消毒、鎮痛、鎮静、抗炎症などがあり、香りを嗅ぐことで体の不調が改善されるとされています。例えば肉体的な疲れや気分の落ち込み、認知症や花粉症対策、そして消毒や衛生管理にまで幅広く役立つことがわかっています。

 古代ローマの言葉に「長生きしたければ、香りを嗅いで脳に送れ」という言葉もあります。ではなぜ飲んだりするのではなく、香りを嗅ぐことで効果を得られるのでしょう。

2.香りと脳の関係

 香りは直接脳に届くと言われています。そのため鼻から香りを嗅ぐという行為はダイレクトに自律神経などに作用し、気分を落ち着かせたり、集中力が高まったりする効果が期待できます。人間の五感の中で唯一嗅覚の刺激だけが「古い脳」と言われている大脳辺縁系に直接働きかけます。   

 匂いや香りを嗅いで子供のころや青春時代の思い出がよみがえって感情が揺さぶられることはないでしょうか。アロマテラピーは古い脳に刺激を与えることで、気分が爽快になったり、ストレスが軽減されたりして体を良い状態にしてくれる手助けをしてくれています。

 例えは悪いですが、シンナーなどの有機溶剤は飲むより蒸発したものを吸い込むほうが中毒になりやすいと言います。香り成分も呼吸で肺から全身に行き渡るため効果が良く感じられるのではないでしょうか。   

3.アロマテラピーの注意点

 アロマテラピーは誰でも簡単に楽しめます。ポピュラーなやり方としては“芳香浴”が一般的でしょう。お湯にアロマオイルを数滴垂らしたり、アロマディフューザーなどで噴霧するのも効果があると思います。

 他にも入浴、湿布、マッサージなどいろんな方法で呼吸以外にも皮膚から成分を吸収できます。ご自身にあった方法で香りを楽しんでください。
 注意点として当然のことながら用法容量は守って、自分に合った、好きな香りを選ぶようにしましょう。刺激の感じ方には個人差があるので自分に合わないと感じた際はすぐ使用するのをやめましょう。

 そしてアロマオイルは天然のものを選び、人工合成香料のものは避けましょう。
 また病気療養中や定期的に薬を飲んでいる人は必ず医師の判断を仰ぐようにしてください。

まとめ

 アロマテラピーは現代医学のような薬や手術で劇的に治すといったイメージはありません。自律神経やホルモンに働きかけ、癒しや健康維持に一役買います。最近の医療の進歩で認知症や不妊症などいろんな症状の改善が期待できることがわかってきました。

 またストレスの多い現代社会においてもアロマテラピーは効果を発揮します。心の癒しと体のメンテナンスの両方に役立つアロマテラピーは今後さまざまな分野で可能性が広まっていくと思います。

ファイルのアイコンこの記事を書いた人

㈱岡部機械工業 梅山 和久衛生管理者の資格を取得してから5年以上。徳島の岡部機械工業で社内の衛生パトロールを行い、職場環境の改善に取り組んできた。職場の環境衛生を整えることによって、健康優良法人に選ばれました。働くうえでは健康が何よりも重要だと思い、環境衛生について日々研究している。