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ウイルス除去・除菌の正しい方法とは?感染原因をなくそう!

19/08/09 除菌

 微生物と聞くと、菌やウイルスを思い浮かべる人も多いと思います。どちらも人や動物に感染症を引き起こす生物として、しばしば混同されがちですが、実は全然違う特徴を持っています。ウイルスの性質を理解することで、適切な予防策を講じることができます。

 ウイルスを必要以上に怖がることはありませんが、誤った対策をすると危険です。ここではウイルスの特徴・感染経路・予防法を整理したいと思います。

ウイルスとは?(細菌との違い)

 ウイルスは細菌の1/10~1/100ほどのの大きさで、とても小さく、自分で細胞を持ちません。人や動物、植物、細菌などは同じ種であっても大きさはまちまちですが、ウイルスは同じ種類であればどれも同じ形と大きさをしています。

 ウイルスの構造は単純で、遺伝子の周りをタンパク質の殻で包んだものとなります。高等なウイルスになると外側にタンパク質と脂質で出来た膜(エンベロープ)を持ちますが、これ以上の複雑な構造にはなりません。

 細菌は自分の力で増殖することができます。周りに「えさ」さえあればどこでも簡単に自分のDNAを複製・増殖させ、繁殖することができます。

 ウイルスは人や動物の細胞の中に入らなければ増えることができません。生物が持っている遺伝子の増殖機能を拝借して自分の遺伝子を増やします。他の生物の細胞の中に侵入して寄生しないと子孫を残せないのです。濡れた雑巾の中で細胞は増えますがウイルスが増えることはありません。

 また、ペニシリンなどの抗生物質は細菌を破壊することができますが、ウイルスには全然効かないことも注意したいところです。

なぜウイルスは感染するのか?

 ウイルスは栄養を自分で作れず、自分の力で増殖できません。それどころか自力で移動もできません。自分の子孫を残すため、いろんな生物や物質にくっついて移動し、たどり着いた所で生物に侵入する機会を待ちます。

 そして生きた細胞の中に侵入するのですが、ウイルスの種類によって侵入先はほぼ決まってきます。

 侵入の第一段階として、細胞とウイルスが引っ付きます。細胞を工場に例えると、ウイルスは合鍵を持っていて、ドア(細胞の膜)に合鍵が合えば工場(細胞)の中に入っていけます。そして工場の生産ライン(細胞の増殖機能)で自分の子孫を生産します。

飛沫感染の予防方法

 咳やくしゃみをしたときに口から飛び散る水滴のことを飛沫といいます。この飛沫を吸い込むことで感染するのが飛沫感染です。1回のくしゃみで放出されるウイルスは数十万個とも言われています。

 飛沫感染を予防するには飛沫を最小限にするために、咳エチケットとして咳やくしゃみをする際に口にティッシュやタオルを当てることが大事です。マスクも予防のためにつけるより感染した人がつける方が効果的です。また、飛沫が飛ぶのは1~2mとされており、感染者と距離を取ることも有効です。

接触感染の予防方法

 接触感染は感染した人に直接触れたり、感染者が触れたもの(ドアノブ、手すりなど)を介して感染することを言います。予防策としては感染者(物)に触れないのが一番ですが、ほぼ不可能です。

 接触感染の予防策として効果的なのはやはり手洗いです。ウイルスが付着したテーブルに手をついて、その手でパンやおにぎりを手づかみで食べれば感染します。ものを食べなくも、手指を口元に持っていく機会は多いので可能性は高まります。

 こうした手を介した感染を防ぐためには、普段の生活なら●外出後、●料理・食事の前、●トイレの後、●病気などの人がいればそのお世話の前後などに手洗いを心がけると良いでしょう。必要以上にする必要はなく、逆に何度もゴシゴシ洗うと皮膚の表面にこまかな傷がつき、かえって感染しやすくなるので注意が必要です。

まとめ

 ウイルスは細菌などと違って抗生物質では死なず、遺伝子の形を変えながら存在する厄介な生き物?です。ですが大半のウイルスは毒性や感染力はそれほどでもありません。人間が本来持っている免疫力を高めていれば、感染をある程度防ぐことは可能です。

 さらに適切な手洗いをするなどの予防策を講じていけばより感染のリスクは低くなります。次亜塩素酸水(酸性電解水)で手洗いができる給水器は高いレベルでの衛生管理が求められる施設などで導入が進んでいます。

ファイルのアイコンこの記事を書いた人

㈱岡部機械工業 梅山 和久衛生管理者の資格を取得してから5年以上。徳島の岡部機械工業で社内の衛生パトロールを行い、職場環境の改善に取り組んできた。職場の環境衛生を整えることによって、健康優良法人に選ばれました。働くうえでは健康が何よりも重要だと思い、環境衛生について日々研究している。