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春は特に注意!? 黄砂の被害と対策方法

21/04/02 ウイルス対策

 毎年春先になると晴れた日でもうっすら曇ったような状態になるときがあります。いわゆる黄砂なのですが、これが私たちの日常生活に被害をもたらします。洗濯物が干せなかったり、自慢の愛車が汚れてしまうなどの被害の他に健康被害まで報告されています。
 ここでは黄砂の発生原因から被害状況、対策などをまとめてみました。


1.黄砂はなぜ発生する?

 黄砂は中国大陸内陸部のゴビ砂漠やタクラマカン砂漠などの乾燥地帯や黄河中流域の黄土地帯などの砂が偏西風で拭き上げられた砂塵が上空の風に乗って日本にまでやってきます。春によく見られる現象ですが冬の間は雪や氷に地面が閉ざされて砂が舞い上がらないということです。

 年によって気候が違うため黄砂の量も違ってきます。粒子の大きい黄砂は中国大陸で落ちますが、粒子の小さい黄砂は風に乗って日本列島に達してしまいます。黄砂の中国での平均粒径は4~20㎛ですが、日本に到達するのは4㎛程度です。  

 特に西日本や日本海側に飛来することが多く、関東地方にまで届くことは多くありません。黄砂は上空高いところを飛ぶのではなく、比較的低く飛ぶので日本アルプスなどの山脈に遮られるためだと言われています。ですが過去には日本を飛び越え、アメリカ大陸まで到達したという報告もあります。  

 中国大陸から吹く風が日本に向いているために黄砂が日本に来てしまうという訳です。この風向きの関係と、雪が解けて砂が舞い上がる時期が重なり、日本では3~5月ごろが黄砂のピークとなります。

2.黄砂がもたらす悪影響とは?

 アジアの北東地域では大なり小なり黄砂の影響に悩まされています。それは地域によってさまざまで、黄砂の発生源に近いほど被害は深刻です。家畜や農作物に被害が出たり、インフラや交通などにも影響が及ぶこともあります。
 日本ではここまでではないにしても車や洗濯物が汚れるといった被害が出ています。また稀に黄砂の細かい粒子が精密機械の不良を引き起すこともあるようです。   

  

 さらに近年、人への健康被害にも関心が高まってきています。環境省が2018年に黄砂による健康への影響について下記のようにまとめています。
 ・アレルギー疾患
  花粉症の時期と重なるため花粉症の人は黄砂アレルギーも発症しやすいとされています。症状も目のかゆみやくしゃみ、鼻水など似たものになります。
 ・呼吸器疾患
  気管支や肺に関連する疾患と黄砂との関連性が高いといわれています。   

  

 他にも心筋梗塞や脳梗塞との関連も指摘されており、今後の解明が待たれますが、黄砂による人への健康被害は想像よりも広範囲に及ぶ可能性が出てきています。     

すぐに実行したい! 黄砂対策!!

  当然ですが黄砂は屋外で浮遊しています。黄砂による健康被害が懸念される人は外出を控えるのが賢明でしょう。外出する場合は一般的な花粉症対策と同様にマスク着用が必須となります。  

 重要なのは家の中に黄砂を持ち込ませない対策をすることです。とはいえ、衣服などに付着した黄砂はどうしても屋内に持ち込まれてしまいます。玄関で服に付いた黄砂を衣服用ブラシや粘着テープで取り除くことをおすすめします。

 それでも完全に黄砂は取り除かれるわけではなく、家の床に落ちます。モップやドライシートなどを使って拭き取りますが基本的には人が動き出して黄砂が舞い上がる前の朝に掃除するのがいいでしょう。静電気でホコリを取るハンディモップも棚やテーブルを掃除するのに有効です。網戸やカーテンにも黄砂は付着するので念入りに掃除しておきたい場所です

 また空気清浄機で黄砂を除去したり、加湿器で湿度を上げて黄砂が舞い上がるのを防ぐ方法もあります。掃除に手間をかけられない人は実行してみてはいかがでしょうか。

まとめ

  黄砂は砂の粒子のみからできていると思われがちですが、中国の上空を浮遊している間に硫酸イオンなどの汚染物質を取り込んだり、マイクロプラスチックが混ざるケースもあるようです。過剰に神経質になる必要はないと思いますが、花粉症同様、体調に異変を感じる人は対策を取っていきましょう。

ファイルのアイコンこの記事を書いた人

㈱岡部機械工業 梅山 和久衛生管理者の資格を取得してから5年以上。徳島の岡部機械工業で社内の衛生パトロールを行い、職場環境の改善に取り組んできた。職場の環境衛生を整えることによって、健康優良法人に選ばれました。働くうえでは健康が何よりも重要だと思い、環境衛生について日々研究している。