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秋ごろから流行?! ノロウイルスの処方箋!

20/09/09 インフルエンザ

食べ物が腐ったりして細菌性の食中毒が夏に多く発生するのに対し、ウイルス性食中毒は冬に起こりやすいのが特徴です。

ウイルスに感染しても全ての人に症状が出るとは限りません。症状が出ない人や症状が軽くて済む人もいます。

子供や高齢者など体力がない人などは重症になりやすいので注意しましょう。

ここではウイルス性食中毒の中で代表的なノロウイルスと感染対策について述べていきます。

1.ノロウイルスとは・特徴

冬に発症しやすいウイルス性食中毒の原因として多いのがノロウイルスです。 11月頃から流行し始め、12〜2月にピークを迎えます。冬に多発しますが、年間を通して発生します。

ノロウイルスの構造的な特徴として「エンベロープ」という脂肪性の膜を持たないことが挙げられます。 インフルエンザなどエンベロープを持つウイルスはアルコールにより分解され死活化しますが、 ノロウイルスなどはエンベロープを持っていないのでアルコールが効きにくいとされています。

ノロウイルスは人の胃液(pH3)では死活化せず、腸まで達して腸管内でのみ増殖します。 また乾燥や熱にも強く、さらに自然環境下でも長期間生存が可能です。生カキからの感染が多く報告されますが、 ウイルスを死活化させるには中心温度が85℃に達してから1分以上の過熱が必要です。

2.ノロウイルスの対策方法

ノロウイルスの潜伏期間は12~48時間と言われ、小腸内で増殖します。 胃の運動神経の低下・麻痺が起こり、腹痛・下痢・おう吐・吐き気などの症状が出ます。 通常は2~3日程度で回復し、適切に処置をすれば過剰に恐れることはありません。

かかってしまった時の対処法としては、第一に、周囲の人への感染の機会を減らすために、 症状がある人を早めに自宅で休ませる必要があります。 脱水症状に陥りやすいので症状が落ち着いているときに少しずつ水分補給するのが良いでしょう。 症状がひどい場合は早めに医療機関で診てもらいましょう。

ノロウイルスはあらゆる環境下で生存するので、感染者からの排せつ物にも長時間存在し続けます。 感染を広げないために、感染者が使ったり触った物の消毒や感染者からの排せつ物を素早く適切に処理する必要があります。

その際、塩素消毒が良いとされ、次亜塩素酸ナトリウムを水で薄めた液を使うと効果があります。 家庭用の塩素系漂白剤(次亜塩素酸ナトリウムを含むもの)でも代用できます。 また次亜塩素酸水も次亜塩素酸ナトリウムと同等の効果がありますが、予防・処理する用途が少し違ってくるので混同しないようにしましょう。

厚生労働省 ノロウイルスの不活化条件に関する調査 報告書(2015年)

機能水研究振興財団 ノロウイルス対策に酸性電解水(次亜塩素酸水)

3.次亜塩素酸水の活用方法

ノロウイルスの感染経路は「食品→人」、「人→人」、「人→食品→人」があると考えられています。 このうち「人→食品→人」のルートが一番多いと言われています 。感染者が食品に触らないようにするのが一番ですが、前に述べたように感染していても発症しない人もいるので、誰が感染源になっているのかわからないケースがほとんどです。 つまりノロウイルスの感染予防は「いつも誰かが感染している」という前提のもと行われることが重要です。

アルコールの効かないノロウイルスには次亜塩素酸ナトリウムの希釈液が効果的です。「誰かが感染している」前提での予防対策はドアノブや手すり、便座など誰もが触れる室内環境の消毒が効果的です。次亜塩素酸ナトリウムは消毒液として希釈する手間がかかりますが、ドアノブなどの消毒には効果を発揮します。反面、アルカリ性のため粘膜を痛めて肌荒れ等を起こすので手洗いには向いていません。

その点、次亜塩素酸水は室内環境のウイルス死活化(ドアノブなどに次亜塩素酸水を噴霧して数分後に一方通行で拭取ります。)はもちろんですが、 感染症予防の基本と言われる手洗いにも使えます。手荒れもせず、人にも環境にも影響は少ないです。 通常の手洗い後、次亜塩素酸水による手洗いをするとより効果的です。

4.次亜塩素酸水を活用した除菌処置方法

ノロウイルスは感染力が強く、症状が治まってからも数日は感染者からウイルスが放出されたり、感染者からの排せつ物に存在し続けます。そこからの二次感染を防ぐためにも適切な処置が求められます。 感染者からのおう吐物や便の処理は使い捨てのマスクと手袋を着用して、ウイルスが周りに飛び散らないよう静かにペーパータオルなどで拭取り、回収袋へ入れます。拭取った後は次亜塩素酸水を床に浸して拭取ります。その後数回次亜塩素酸水で拭きとります。この処置は次亜塩素酸ナトリウムでもできます。

また周りのカーテンや壁なども目に見えない少量の汚物が飛び散って付着していると考えられるので、次亜塩素酸水でスプレー噴霧して拭き取っておきましょう。次亜塩素酸ナトリウムのスプレー噴霧はNGですので注意してください。 回収した汚物や汚物のついたペーパータオルも消毒処理を行いますが、これは次亜塩素酸水で処理することは危険です。次亜塩素酸ナトリウムで作った消毒液を使いましょう。

5.まとめ

以上ノロウイルスの予防や処置方法を見てきました。名前の似ている次亜塩素酸ナトリウムと次亜塩素酸水では同じように使えるシーンもあれば、不向きな場合もあります。感染者からの汚物そのものには次亜塩素酸ナトリウムが有効だけど、手洗いによる予防は向いていません。

次亜塩素酸水は人体や環境への影響が少なく、シーズン関係なく普段使いできます。いつもの手洗いや、身の回りの除菌などに次亜塩素酸水をうまく活用していきましょう。

ファイルのアイコンこの記事を書いた人

㈱岡部機械工業 梅山 和久衛生管理者の資格を取得してから5年以上。徳島の岡部機械工業で社内の衛生パトロールを行い、職場環境の改善に取り組んできた。職場の環境衛生を整えることによって、健康優良法人に選ばれました。働くうえでは健康が何よりも重要だと思い、環境衛生について日々研究している。